7月25日、オレゴン州東部のBaker Cityで行われたElkhorn Crest 50に参加してきました。

コロナウィルス流行以来アメリカでも人が集まるイベントは軒並み中止となっていましたが、感染予防対策を講じた上でイベントを開催することが許可されるようになってきています。今回のレースでも、人との距離が近くなるスタート・ゴールおよびエイドステーションで鼻と口を覆ったりなど、少しいつもと異なる部分がありましたが、やはりリアルなレースは楽しいです。

© James Holk

距離53マイル(85km)、累積標高差3350メートル、最高地点の標高が2500メートル。コースの大部分は森林限界を超えた山の峰を貫くシングルトラックで、基本は山を縦走しながら、ときおりガツンと急な坂を下りては登り返し、ふたたび縦走を続ける本格的な山岳コースです。昔は金が採掘された山で硬い地質なため、トレイルもスムーズな土というより小さな石がたくさん転がっていて、足の置き場を常に意識しながら走る必要があります。

© James Holk

コロナウィルスの影響で、3月に50キロを走って以降は一日の最長距離が30キロを超えたことはなく、またロード中心でトレイルでのランも近所の公園だけ。レース前の練習量を落として多少のピーキングはしたものの、レースへむけてはコースに合わせた特別なトレーニングはせず、基本はベース・トレーニング中心で臨みました。

まずは久々の長い距離を良い感覚で走り切ることが第一で、レースでの明確なゴールは設けなかったものの、過去の記録を見る限り10時間台で収められればトップ3くらいでフィニッシュできるかなとみていました。

© James Holk

久しく走っていない距離ということと最後まで走り切ることが第一目標だったので、最初から飛ばしてつぶれるリスクは侵さず、スタートからじっくり構えて走っていました。一人猛烈に飛ばす人がいました(結局そのランナーはコースレコードでフィニッシュ)が、その後ろは私を含めて4人くらいの団子状態。傾斜が少なく走れる場所ではゆっくり走っていても余裕をもって団子の中に収まっていられますが、走れないような急登では足の短さもあって歩いているだけで差をつけられてしまいます。やはり私の場合もう少し走れるコースのほうが適性が高いなと思います。

太陽を遮るものがない場所をずっと走るため暑く、ボトルの水のやりくりが大変でした。

© James Holk

途中、片方が崖の場所で、出合頭にマウンテン・ゴートに遭遇。びっくりしたマウンテンゴートが慌てて崖下へと逃げていきました。ここまで接近した距離で見たことはありませんでしたが、その重量感とスピードはなかなかのもの。マウンテン・ゴートに追突されて鋭い角に刺されたり崖下に落とされたりする事故もあるとのことで、今思えばなかなか危ない場面でしたね。

昨日のもう一つのハイライトは、蝶の大群に囲まれながらのラン。何箇所かで群生していて、走っている私にまとわりついてきます。メルヘンの世界ですね。

© James Holk

終始さほどペースを崩すことなく走れましたが、一方でなかなかスピードを上げづらいコースということもあり、余力のわりには後半にペースを上げることもできず、結局10時間20分の4位でフィニッシュ。2位・3位との差は5分ほどなので、やりようによってはもう少し順位を上げられたかなという気もしますが、レースへ向けた準備やフィニッシュタイムなどを考えると、今の段階としてはまずまず走れたほうでしょう。とにもかくにも最後まで走れてホッとしています。